15.塗料について
まず理解しておくことは、屋外で使用する木材保護塗料にパーフェクトなものは無いということです。屋外の環境は過酷であり、木材保護塗料は過酷な環境下で木材の寿命を少し伸ばす材料の一つです。
例えば、木材の外壁材の寿命を40年とします。こまめに最良の塗料を使って塗り替えを重ねて50年使えるというイメージです。
塗料の保ちは、塗料自体の性能よりも環境の要素が大きく左右します。どの程度、紫外線により塗膜が侵され、風が運んだ砂により削られ、雨により流されるのか、という環境の程度によって決まるものです。塗料については、かねてから様々なメーカーの製品を使ってきました。どれも一長一短があります。「これでなければいけない!」という決定的な製品がないのが正直なところです。
このことを理解したうえで、最近は水性のウッドエイドシリーズを使うことが多くなっています。シリコンが含まれ撥水性が良く、塗膜がほどよく厚く、木材との相性にも問題がなさそうだからです。数十年先にどうなっているかはなんともいえないところですが、水性のため有機溶剤の匂いがなく、刷毛などの洗浄が水でできること。加えて、実際に自らも曝露実験をしてなかなか耐久性が高そうでメンテナンスもしやすそうだと実感し、かつ国産品であること、価格も納得できるもの、などの理由からウッドエイドシリーズを使っています。
屋内に使う塗料は、基本的には自然塗料と呼ばれるオイル系のものです。オイル系塗料も甲乙つけがたいところがあります。現在(2024年)は、プラネットカラーやオスモカラ―を使用しています。
お好みにより、建具や枠材に柿渋を塗ることもあります。これも毎年重ねて塗っていくと、何ともいえない素晴らしい味わいが出てきます。
塗料の説明をした上ですが、あえて申し上げると、無塗装という選択肢も全然悪くないと思います。
ありのまま、なすがままに変化を受け入れるのです。
耐久性は著しく悪くなるものではございません。お家のある環境にも寄りますが、むしろ、無塗装のままの方がいい結果なのでは?と思うこともしばしばあります。