23.庭について 

家づくりと庭は、とても密接な関係があります。豊かなものの多くは、外からやってきます。光、風、緑、訪れる鳥たちや、季節感…。家庭菜園や果樹を植えることもできます。そして、そうした庭の豊かさに応答するのは、家の開口部やデッキの計画となります。したがって、家のプランニングの時点から合わせてお庭も計画できるとうまくいくケースが多いです。庭づくりは、信頼のおける地元の庭師(作庭嘉エ門)に担ってもらいます。植栽は、生きものですから、お手入れが必要です。ときには、植樹の元気がなくなったり虫がついたりもします。ご自分で剪定、メンテナンスすることは理想ですが、気楽に相談できる地元の庭師をご紹介するようにしています。

そして、お庭や建築は、住む人たちだけのものではない、ということも気を付けたいところです。

道行く人たちが、気持ちのよさそうな家や庭を見れば、同じような気持ちのよさを感じるものです。「家庭」とはまさに字の如くですね。併せて風土や環境にも寄与していきます。駐車場に敷く砂利やアプローチの石敷きは、地元の山から採れるものを使用します。風景への馴染みやすさは地元の石材ならではです。

土留めは、石積みが理想です。一つひとつの石の形状を見て、セメントで固めずに(空積み)、強固な石積みをすることにより、排水性も良くなり地面が生き生きとします。石は数百年と使える数少ないメンテナンスフリーな素材です。コンクリートと違い、石積みは再利用も可能で、後世まで使えます。

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