実際の見積書を公開!マイホームの予算の決め方の基準を「家の寿命」にするメリット解説

愛知県西尾市の工務店イシハラスタイルの石原です。

今回は実際の見積書を公開して、いったい注文住宅を建てるのにどれぐらいの費用がかかるのかを解説します。

家造りの予算は毎年値上がり続けていますが、2020年からは特に注文住宅の値上がり幅が増え現在の2024年を終えた時点でも1.5倍近くになっています。この値上がりは円安の影響や燃料費の高騰などの原因があげられます。

住宅業界では「今」が一番最安値で、日々値段は高騰し続けるだろうという予測です。

住宅ローンを利用する場合は返済費用から逆算して「家の予算」を決める方も多いです。支払いができなくなってしまえば、その後の教育資金や老後資金に影響を与えますから、それも大切なことなのですが、ただ「家の寿命」が短ければ再び何らかの方法で住宅費を支払うことになります。

そこで、今回はイシハラスタイルがいつもお伝えしている長持ちする家について、実際のプランと予算を公開してお伝えしたいと思います。

木造の住宅の寿命

木造住宅の場合はその耐用年数も約30年となっています。鉄骨住宅もおおよそ同じくらいの寿命とされており、若干ながら木造住宅に比べて鉄骨住宅の方が寿命も長いとされています。これらの住宅構造の中で寿命が最も長いものとしては鉄筋コンクリート住宅が挙げられ、その寿命も約40~90年ほどに設定されているのが特徴です。

一見すると木造住宅は寿命も短くて頼りないと感じる方も多いかもしれません。しかし、これらの統計は寿命以外で解体された住宅も含めた築年数から導き出されているため、実際には木造住宅であっても鉄骨住宅や鉄筋コンクリート住宅と同等の寿命があるとされています。

長く住み続けるコツは?

・日常の清掃
・定期点検
・部品の交換、修理、メンテナンス

がよく上げられます。もちろんこれらは必須なのですが最も重要なのは長持ちする素材を使用することです。

長持ちする素材とは?

住宅で一番使いやすく長持ちする素材の代表は「木材」です。一般的に住宅を建てる際に使用される建材は工業製品とよばれメーカー保証などが設定されていますが、ほとんどが10年~20年です。
そして、多くの人が木は腐ったり割れたりするので長持ちしないと思っています。

木は水に長時間濡れた状態だと、水染みができたりカビが生えたりするのを見たことがあるからです。

逆に新建材がどのように劣化するのかを見たことがないため、水が染み込まない素材や傷がつきにくいという情報から保証期間があれば安心と考えてしまうわけです。

しかし、大切なのは新築時の綺麗さや手軽さだけではなく「家の寿命」を長く保てる素材選びです。

例えば

・床
・壁・天井
・扉や家具
・屋根
・外壁
・キッチン・浴室・トイレなどの設備

分かりにくいところでは、家の大きさ・間取りによっても老後に住み替えが必要に感じます

長持ちする家のプラン

イシハラスタイルでは素材の特性を考え、メンテナンス性に優れ、耐用年数の長いものを選定しています。

また、必要なスペースの広さも無駄にとることはありませんが、家事スペースや収納スペース、そして家でゆっくり過ごすための屋根のかかった屋外テラススペースなどもあります。
また近年では地震に対しての懸念や、老後に備えて平屋を選択する方が増えています。こちらは二階建てではありますが老後には平屋として住むことが可能であるため、費用は総二階建て(一階と二階が同じような床面積の家)に比べると割高にはなります。

それらを徹底的に考え抜き、敷地の特性や周囲への調和も考慮しつつ各家庭の最適な答えを導き出し提案をしたプランです。

延床面積は約32坪となっていますが、屋外の玄関ポーチや軒下のテラス部分を含めると38坪相当のボリュームです。

約38坪の見積書(2024年前期)

本体工事で約3560万円ですので、坪単価93万7000円程度とわかります。

坪単価のお話し も合わせてお読みください

単純計算とはいきませんが2024年の弊社イシハラスタイルでの平均的な家の坪数は33坪ですので単純計算となりますが本体価格は3092万円になります。

本体工事以外にかかる費用

付帯工事・設計料・諸費用・外構工事・税金等が必要です。

付帯工事とは、建物本体以外の工事や、建物本体の一部を完成させるために必要な工事の総称です。
解体工事・地盤改良・造成工事なども土地によっては必要になりますし、電気やガスの屋外部分の引き込み工事や地域によっては浄化槽などの設備も必要になります。

設計料は会社によって違いますが、弊社イシハラスタイルは設計施工工務店ですので設計料は30~50万円が目安ですが、工事を伴わず設計監理を行う場合は、工事代金の5~10%とすることもあります。4000万円の工事代金の場合は200~400万円が設計料となります。設計施工工務店は設計料がお値打ちに計上されていることもメリットとなります。

諸経費とは、現場管理費や工事保険等、交通費なども実際の工事をするために必要な経費となりますし、地鎮祭等の祭典費なども計上されます。

費用の計上を後回しにしないことで全体費用を把握する

イシハラスタイルでは、本体の家だけではなく外構や植栽も豊かにするためには必要な要素を考えているため、コンクリートの塀なども見積り時に提示しています。車庫やガレージなども住宅ローンに含む場合は見積りに参入し、契約後や工事が始まってから追加の費用が出ないようにご提示しています。

植栽工事に関しては、今後のお手入れのことも踏まえて庭師に相談し、お家のプラン時に見積りを依頼することもしています。植栽は家とともに成長するため、毎年の剪定や育て方の相談なども長い年月を共に過ごすものなので、プロの庭師に頼むと安心です。フェンスやブロックなどの配置計画なども家づくりのプランと同時にすることで、家が完成した後も使いやすい計画をすることができます。

LCC(ライフサイクルコスト)を考えた素材選びをする

ライフサイクルコストとは、家を建てる時から家が寿命を終えて解体されるまでの総費用のことを言います。

・建設費
・維持管理費
・エネルギーコスト
・解体費

国土交通省国土技術政策総合研究所HPより

建設費を抑えるために、低品質な建材を使用し耐久性が落ちることで修繕費用が高額になったり、断熱・気密性能が低い場合はエネルギーコストが増大します。解体費用に関しては木造に比べて鉄筋コンクリート造は大幅に費用がかかります。

メンテナンス・修繕費用に着目し長持ちする家を実現する

イシハラスタイルでは、この修繕費やメンテナンス費用をできるだけかからない素材を選ぶことで、ライフサイクルコストが抑えられる家づくりを提案しています。

・瓦  割れたり飛散があれば部分的に補修や取替を行う。80年間家の寿命まで葺き替えの必要はなし。
    瓦に変わる製品としてはコロニアル屋根があるがメーカー指定の約10年に一度は必ず塗装工事が必要となり
    30~35年後には葺き替え工事が必要となる
    板金屋根に関してはメーカー保証10~20年に合わせて点検や塗装工事を行う

・外壁 杉板外壁は板の厚みにもよるが、無塗装であっても点検のみを必要とする。板の割れ、落ちなどがあれば
    部分補修を行う。40年で張替えをすると80年家を使用する際に一度の張替えが目安となる。
    板外壁にかわる製品は、サイディングがあげられる。コストによってメンテナンススパンの長尺があるが
    低コストのものだと10年で再塗装が必要になり30~40年での張替えも必要となる。
    ガルバリウム外壁も屋根と同じくメーカー推奨の再塗装を行う。塩害地域では劣化が早いので注意が必要。

・床材 無垢フローリング 傷などのリスクはあるがメンテナンスが可能なため、劣化による張替えのリスクが少ない。
    重厚感や温か味のある素材は家の雰囲気も向上する。
    無垢フローリングに変わる製品としては、合板フローリングやビニルシート系の床材もあるが、いずれも短期
    での耐久性は高いがコーティングなどのメンテナンスを怠り表面仕上げが劣化すると、部分補修は難しいため
    業者に依頼してのメンテナンスを10年ほどのスパンで行うか、張替などの工事が必要となる。

・壁仕上 板張りや厚ベニヤ仕上げ、タイルなど室内での劣化が起きにくいものであれば、家の寿命の間にメンテナンス
     は不要。洗面所や浴室などの水かかりの場所は日常で簡単な清掃をすることでカビの繁殖を防ぐことが必要。
     石膏ボードを使用し珪藻土、漆喰塗の場合は特にメンテナンスはは不要だが石膏ボードの劣化が起きた場合は
     取替工事が必要となる場合がある。
     石膏ボードにビニルクロス仕上げをした場合は、接着剤の劣化による剥がれや静電気による汚れがひどく感じ
     る20~30年で張替えすることが多い。

・設備  住宅ではキッチンや浴室、トイレなどの水回りの設備やコンロ、給湯機などの故障による取替も必要となる。
     システムキッチンやシステム洗面などの家具まわりは接着剤の劣化などで表面材が剥がれたり、欠けたりする。
     部品交換で対応できれば低コストだが、商品廃盤のサイクルが短いため部品が存在せず取替となる事がある。
     職人の手によるものの場合は、材料を手に入れ再製作可能な場合もありメンテナンス対応ができる。
     トイレは便座が壊れやすいが、タンクや便器は陶器製であれば耐久性は長くなる。しかし、低価格の一体型
     トイレの場合は便座が壊れた場合でも部品交換が不可能な場合は全部交換となり修繕費が高額となるため
     組み合わせで対応できるものが有利と言える。

     そのためイシハラスタイルでは、キッチンを無垢の木の家具で作った「タフなキッチン®」を作りました。
     天板のみを取り替えることができ、劣化による部品の交換がほぼ必要なく、味わいの増す木製キッチンです。
     
     浴室はタイルの在来浴室で、浴槽は据え置き型。給湯機から循環させる配管などをやめ、メンテナンスが困難
     になる場所を出来るだけなくしています。劣化して交換が容易にできるものと、場所ならば自然と家は長持ち
     になりますし、タイルやホーローや木の豊かな風合いを感じながらの暮らしが実現できます。

・断熱気密 エネルギー消費量は毎日の生活に直結しています。家が完成すると見えなくなってしまいますが、断熱性能
      が低ければ日々の光熱費はあがってしまいます。実に80年ともなれば光熱費の差は1000万円以上の差です。
      

・耐震性能 地震などで家が壊れてしまえば住むことができません。耐震に関して、構造計算をして備えることが必要
      です。イシハラスタイルでは、自社で許容応力度計算による耐震等級3を取得し安全性の高い家をお勧め
      しています。更に計算上だけではなく、耐震パネルを使用し物理的に地震による破壊から家を守るための
      工法もお勧めしています。(コーチ株式会社HP)
     

生涯住宅費用を考えて作られた家

このように、決してメンテナンスフリーな住宅などは存在せず、どの様な暮らしでも住宅費用は必ず必要となることが分かりました。そこでイシハラスタイルでは、日々の豊かな暮らしを向上させてくれ、なおかつ80年の間のメンテナンス費用が抑えられ、自然への負担のできるだけ少ない建築資材を使用した家づくりをご提案しています。

それが、今回のプランであり見積り費用となって表れています。もしかしたら、予想している金額よりも上回っているかもしれませんが、生涯資金を考慮したらどうでしょう。

建設費が安くても見えないコストのかかる家では、安心して生活することができません。

できるだけ建設費用も抑えつつ、近い将来にメンテナンスが必要なものは避けるためには見えないコストを把握し、しっかりとした素材を選択する必要があります。

家づくり勉強会にご参加ください

初めての家づくりでは分からないことがたくさんあります。そのため、家づくり勉強会でしっかりと聞いてみましょう。

素材の話
お金の話
間取りの話
性能の話

など、知らないまま進めて後悔の無い家づくりをしましょう。

ぜひ、ご参加ください。無料の勉強会で賢いお家づくりをしましょう!

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