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家の中からお庭の景色が見える家を建てる

家の中からお庭の景色が見える家を建てる

新築で外構を計画する時に意識すること

町を歩いていると、あるいは車で通りすぎる時に、ふと目が留まることがある。
それは、綺麗な植栽の緑や季節の花が咲いたお庭がある家の前を通った時、なぜだかほっとした気持ちになります。

一見、道の外を行き交う人の為にそれはあるような感じもしますが、実は家の中にいる人からも同じような景色があり、それを日々感じながら暮らすことができています。

小さなお庭に植えた数本の木を見るだけで?と思うかもしれませんが、実際、一本でも毎日、毎瞬その表情はかわりずっと見続けても飽きません。

そこに、季節によっては花が咲いたり、蝶がおとずれたりと「窓」という枠の中で自然の映像を見せてくれているのです。

室内と室外の明るさの違いを楽しむ窓と庭のつくり方

大きな窓は人が出入りすることができ、室内の穏やかな空間とその向こうに広がる明るい空間を大きく切り取ることができ、室内の解放感を増すことができます。
お庭でのイベントを楽しみたい方は、デッキや芝生の庭づくりで実際に外での時間をすごせるでしょうし、家の設計をあわせて丁寧に考えることで室内に居ながらにして外の庭にいるかのような暮らし方もできます。
もちろん、天気が雨の時も、雨の降る様子を見ることさえも色々な気付きがあるかもしれません。

郊外ではなく近隣に家が立ち並ぶ場合の庭づくり

「北の庭」というのは現在の日本では馴染みが少ないかもしれませんが、古来より、美しい庭は家の北側に作られることも多かったのです。
それは、太陽の光を順光(正面で浴びた光)を見ることの美しさを日本人は知っていました。
ご存じのとおり、植物は太陽の方向を向いて成長します。特に庭木の葉っぱは南を向いて成長をすると、人は南にある庭の植物の裏側をみていることになります。

それを、植栽を北側にすることで正面を向いている植物を観察することができるというものです。
もちろん、そうなると北側の庭に光を届けるような建物の配置や屋根の形にする必要があり、昔の家の形を思い出すと、そうしたこともよく考えられていたと感心します。
屋根をできるだけ低くし、勾配を南北にすることで太陽高度に合わせて北側に光を届けます。

このように、建築にちょっとだけ気を使うことで、敷地をいっぱいに有効的に使い「良い場所・悪い場所」や「表・裏」を作らないようにするわけですね。

上の写真の窓は、北のお庭が見えるように作った窓からの景色です。
室内の落ち着いた雰囲気、景色ともに安らぎの空間をつくることができます。

窓はたくさんは必要ない

窓というのは、適当にたくさんつければよいというものではありません。

窓は、こちらから「見る」ことができる反面「見られる」ということで落ち着かない空間になったり防犯面でも不利になることがあります。

よく考えられた、適切な位置に、適切な高さで設けることで、効果的に使うことができるものなのです。

それをするのが「設計」であり「敷地全体をプランニングする」ということになります。

近隣の家の配置を把握し、道路の位置などを考慮し、光の入り方を考え家の形と窓の配置をバランスよくつける。

すべては計算の上に成り立っているからこそ、良くも悪くも目立つことがなく心地よい空間を手助けしてれるのが「窓」になります。